梅雨・台風の時期に備えよう!自治体からの風水害情報の収集方法

毎年の事ですが、梅雨や台風の時期は大雨や長雨などによる災害が発生するシーズンです。今回はこの時期に気を付けたい災害と、その備えについて紹介します。

起こりやすい災害

河川の増水・氾濫(外水氾濫)

河川の水位が上昇し、堤防を越えたり破堤するなどして堤防から水があふれ出ること。

床下浸水・床上浸水(内水氾濫)

河川の水位の上昇や流域内の多量の降雨などにより、河川外における住宅地などの排水が困難となり浸水すること。

高潮による氾濫

台風や発達した低気圧が通過するとき、潮位が大きく上昇することがあり、これを「高潮」といいます。
高潮で潮位が高くなっているときに高波があると、普段は波が来ないようなところまで波が押し寄せ、浸水すること。

土砂災害

がけ崩れ

降雨時に地中にしみ込んだ水分により不安定化した斜面が急激に崩れ落ちる現象。

土石流

山腹、谷底にある土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。 

地すべり

斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。

このように、強風と大雨および高潮、波浪により起こる災害の総称を「風水害」と言います。
風水害の対策で大切なことは、事前の情報収集と準備です。身の安全を確保するためにも、国や自治体が発信する最新の情報を確認しましょう。


風水害が起きる前にやっておきたい事

風水害の避難行動について知る

避難情報に関するガイドライン(令和3年5月改定、令和4年6月更新)/内閣府」では、「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示され、この方針に沿って自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供されることとなっています。

避難とは?

「避難」とは「難」を「避」けること、つまり安全を確保することです。

避難行動とは?

避難の行動には次の4つがあります

  • 行政が指定した避難場所へ立退き避難
  • 安全な親戚・知人宅への立退き避難
  • 安全なホテル・旅館への立退き避難
  • 屋内安全確保※

※土砂災害の危険がある区域では立退き避難が原則です。
※ハザードマップで「3つの条件」を確認し、その場にいても大丈夫か確認する必要があります。(3つの条件は新たな避難情報に関するポスター・チラシで確認できます)

警戒レベルと避難情報

警戒レベルは災害発生のおそれの高まりに応じて5段階に分類した「とるべき行動」と、その「行動を促す情報(避難情報等:市町村が発令する避難情報と気象庁が発表する注意報等)」とを関連付けるもの。

警戒レベル:1

避難情報等:早期注意情報
発表者:気象庁
とるべき行動:災害への心構えを高める

今後気象状況悪化のおそれがあるので、

  • 防災気象情報等の最新情報に注意
  • 自主的な避難先(親戚・知人宅やホテル・旅館等)の調整
  • 行政が指定した避難場所へ避難する場合は、避難所開設予定の確認
  • 避難するに当たって持参する荷物をまとめる等(避難準備については平時に済ませておくことが望ましい)

警戒レベル:2

避難情報等:大雨・洪水・高潮注意報
発表者:気象庁
とるべき行動:自らの避難行動を確認

気象状況が悪化しているので、

  • ハザードマップで自宅・職場等の災害リスク、指定緊急避難場所や避難経路、避難のタイミング等を再確認する
  • 避難情報の把握手段を再確認・注意する
  • 避難に備え自らの避難行動を再確認する など

警戒レベル:3

避難情報等:高齢者等避難
発表者:自治体(市区町村)
とるべき行動:危険な場所から高齢者等(※)は避難

※高齢者等の「等」には、障害のある人等の避難に時間を要する人や避難支援者等が含まれることに留意。

具体的にとるべき避難行動は、「立退き避難」を基本とし、洪水等及び高潮に対しては、ハザードマップ等により屋内で身の安全を確保できるか等を確認したうえで自らの判断で「屋内安全確保」することも可能。

災害のおそれがあるので

  • 避難に時間を要する人は避難する
  • 必要に応じ出勤等の外出を控えるなど普段の行動を見合わせ始める
  • 避難の準備をする
  • 自主的に早めに避難する など

早めの避難が望ましい場所の例

  • 急激な水位上昇のおそれがある中小河川沿い
  • 浸水しやすい局所的に低い土地
  • 避難経路が局所的な浸水や土砂災害等により通行止めになり孤立するおそれがある場所
  • 突発性が高く予測が困難な土砂災害の危険性がある区域 など

※避難先が遠方にある場合は、移動に必要な時間だけ早期に避難すべきである

警戒レベル:4

避難情報等:避難指示
発表者:自治体(市区町村)
とるべき行動:危険な場所から全員避難

具体的にとるべき避難行動は、「立退き避難」を基本とし、洪水等及び高潮に対しては、ハザードマップ等により屋内で身の安全を確保できるか等を確認したうえで自らの判断で「屋内安全確保」することも可能。

災害のおそれが高いので、

  • 危険な場所から全員避難(立退き避難又は屋内安全確保)する。

警戒レベル:5

避難情報等:緊急安全確保
発表者:自治体(市区町村)
とるべき行動:命の危険 直ちに安全確保!

災害発生又は切迫した状況(必ず発令される情報ではない)

指定緊急避難場所等への立退き避難することがかえって危険である場合、緊急安全確保する。
ただし、災害発生・切迫の状況で、本行動を安全にとることができるとは限らず、また本行動をとったとしても身の安全を確保できるとは限らない。

自治体(市区町村)が出す警戒レベル3(高齢者等避難)または、警戒レベル4(避難指示)で必ず避難しましょう。気象庁などから出る河川水位や雨の情報を参考に自主的に早めの避難をしましょう。

防災気象情報について知る

防災気象情報とは?

  • 気象庁、河川・砂防部局などが発表
  • 自治体(市区町村など)の「行動指南型」避難情報の発令判断を支援する役割
  • 「状況情報」としての避難行動をとる前の段階の「マインド作り」「危機意識醸成」という役割

避難行動をとるための情報として、自治体の避難情報と防災気象情報の組み合わせが重要です。

防災気象情報と相当する避難情報の警戒レベル

警戒レベル1 相当

災害への心構えを高め、最新の防災気象情報などに留意しましょう

  • 早期注意情報(警報級の可能性)※大雨に関して、[高]又は[中]が予想されている場合

警戒レベル2 相当

キキクル危険度分布「注意」(黄)

  • 大雨注意報
  • 洪水注意報
  • 高潮注意報(警報に切り替える可能性に言及されていないもの)
  • 氾濫注意情報

警戒レベル3 相当

キキクル危険度分布「警戒」(赤)

  • 大雨警報(土砂災害)
  • 洪水警報
  • 氾濫警戒情報
  • 高潮注意報(警報に切り替える可能性が高い旨に言及されているもの)

警戒レベル4 相当

キキクル危険度分布「非常に危険」(うす紫)

  • 土砂災害警戒情報
  • 氾濫危険情報
  • 氾濫危険情報
  • 高潮特別警報
  • 高潮警報

警戒レベル5 相当

何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況。直ちに身の安全を確保しましょう

  • 大雨特別警報
  • 氾濫発生情報

自治体が発行している防災マニュアル類を手に入れる

自宅や職場のある自治体が発行している風水害の防災に関わる、下記のような資料を一式手に入れましょう。各自治体のホームページで確認できます。紙媒体での配布については、各自治体に確認ください。

  • 防災マニュアル
  • ハザードマップ(防災マップ)※1 ※2
  • マイ・タイムライン(防災行動計画)作成キット

※1:ハザードマップは、災害種別ごとに作成されています。それぞれの災害ごとに避難先が設定されていますので、一通り手に入れましょう。
例)洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、高潮ハザードマップ など

※2:国土交通省ハザードマップポータルサイトでもハザードマップを確認することができます。詳しくは利用規約をよくご確認の上ご利用下さい。(国土交通省ハザードマップポータルサイト)

地域の災害リスクを知る

手に入れた防災マニュアルとハザードマップ(防災マップ)をよく確認し、自宅や職場の周囲にどのような災害リスクがあるかしっかりと確認しましょう。


集めた風水害の情報をもとに、いざという時のために準備をする

防災アプリのインストールや防災情報メール配信サービスの登録

自治体、気象庁や民間企業などが配信している防災アプリをスマホにインストールしたり、メールの配信サービスの登録、ホームページのブックマークをして、最新の防災情報が手に入るように備えましょう。一例をご紹介しますので参考にしてください。

マイ・タイムラインを作る

集めた情報をもとに、避難行動の一助となる「マイ・タイムライン(防災行動計画)」を作りましょう。

避難行動判定フローを確認

手に入れたハザードマップ(防災マップ)と一緒に「避難行動判定フロー」を確認し、取るべき行動を確認しましょう。

避難するときのルートを決める

避難行動判定フローで、避難する場合は避難ルートを決めます。ルートは複数作成するとよいでしょう。
また、避難ルートを実際に歩いてみて、危険個所を把握し、避難時に役に立つ情報を地図に書き込みましょう。

マイ・タイムラインを作って、見やすい場所に貼る

避難行動判定フローで確認した内容と、マイ・タイムラインの作成ガイドを見ながら、自分や家族、職場のタイムラインを作りましょう。作成したマイ・タイムラインや避難ルートは目につく場所に貼って、いざという時に備えましょう。
また、こまめに見直しを行いましょう。

マイ・タイムラインは、あくまで”行動の目安”であって、作成した通りに行動すれば安全というわけではありません。災害時は最新の情報をこまめに収集し、臨機応変に行動してください。

安否確認の方法を決める

大きな災害が発生すると、被災地への電話が大量に殺到し、繋がりにくくなります。一緒に住む家族、離れて暮らす家族、遠方の親戚や職場で、災害時に安否確認をする方法を事前に決めて、訓練しておきましょう。

災害用伝言サービスについて

災害伝言サービスは体験利用日にも運用されており、体験することができます。
※災害が発生した場合は、体験利用ができない場合があります。

<体験利用日>

  • 毎月1日、15日
  • 正月三が日(1月1日~3日)
  • 防災とボランティア週間(1月15日~21日)
  • 防災週間(8月30日~9月5日)

詳細は総務省の「災害用伝言サービス」のページをご確認下さい。

必要なものを備蓄する

手に入れた防災マニュアルを参考に、必要な準備・備えをしましょう

立退き避難をする際は、持ち出し袋を用意しましょう。また、屋内安全確保をする場合は、備蓄品は水が引き、ライフラインが復旧するまで十分に耐えられる量を用意しましょう。水に濡れて使えなくなるものは、注意が必要です。

家や職場の側溝や排水口の掃除や、飛散防止フィルムを窓ガラスに貼るといった準備も合わせて行いましょう。

トイレの備蓄も忘れずに

停電や浸水、断水が発生すると、水洗トイレが使えません。特に浸水以外が出ている場合は、無理に流そうとすると、逆流します。忘れずにトイレの備えもしましょう。

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地震だけではない。ゲリラ豪雨、台風にも対応。防災士と共同開発した非常用持ち出し袋

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まとめ

風水害は梅雨・台風シーズン以外に、大雨や長雨があった時でも発生します。シーズンが終わったからと油断せずに、日頃から気象情報に注意し、備え、早めの避難を心がけましょう。

参考・引用元

  • 内閣府
    • 避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月)(https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/)
    • 避難情報に関するガイドライン(令和3年5月改定、令和4年6月更新)(https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf)
    • 新たな避難情報に関するポスター・チラシ(https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/poster.pdf)
    • 避難情報のポイント(https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/point.pdf)
    • 避難行動判定フロー(https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/flow.pdf)
    • 災害時に便利なアプリとWEBサイト(多言語)(https://www.bousai.go.jp/kokusai/web/index.html)
  • 気象庁
    • 河川、洪水、大雨浸水、地面現象に関する用語(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kasen.html)
    • 気象災害に関する用語(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/saigai.html)
    • 高潮(https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/takashio.html)
    • 防災気象情報と警戒レベルとの対応について(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html)
    • 防災気象情報の役割について(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/images/yakuwari.png)
    • 「危険度分布」の愛称を「キキクル」に決定しました!(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/event/kikendobunpu2021.html)
    • 全国の警報・注意報(https://www.jma.go.jp/bosai/warning/)
  • 国土交通省
    • 登録型のプッシュ型メールシステムによる高齢者避難支援 「逃げなきゃコール」(https://www.mlit.go.jp/river/risp/policy/33nigecall.html)
    • 川の防災情報(https://www.river.go.jp/index)
    • マイ・タイムライン(https://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/saigai/tisiki/syozaiti/mytimeline/index.html)
  • 総務省
    • 災害用伝言サービス(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/hijyo/dengon.html)

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断水時のタンク式トイレは流せるの?誤った流し方は危険!

地震や台風などの災害で断水した場合、職場や自宅のトイレはどのように処理すればよいでしょうか?
断水時のタンク式トイレの使用方法について解説します。

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地震や台風などの災害で断水した場合、職場や自宅のトイレはどのように処理すればよいでしょうか?
トイレは私たちの生活で欠かせないものです。断水時には別に用意しておいた水を使ってトイレを流そうという意見も多いです。タンク式のトイレを使用する人が多いと思いますが、このタンク式には、断水時の使用方法に注意しておくべき点があります。ここでは、断水時のタンク式トイレの使用方法について解説します。

トイレに水を流してはいけない場合がある

排水管や下水道が破損している場合は、トイレに水を流してはいけません。破損が考えられる原因としては、以下が挙げられます。

  • 道路内の下水道の破損
  • 液状化によるマンホールの浮き上がり
  • 建物や敷地内の排水管の破損・つまり

見た目で破損しているか分からない場合でも、流すときに流れ方がいつもと異なる時や自治体から「流さないように」と広報があった際には、トイレに水を流さないようにしましょう。流せないのに無理に流してしまうと、パイプが詰まったり、汚水が溢れ復旧に時間がかかることや、修理費用が高くなることも想定されます。

災害用トイレを使うのがおすすめ

排水管や下水道が破損してしまっている場合には、災害用トイレが便利です。洋式トイレの便座に、袋をかぶせ、凝固剤を使ってトイレを処理します。
既存の便器を使うことができるから、わざわざ外でトイレを探す必要がありません。また、被災が酷い地域などでは、水道が復旧するのに時間がかかる事もあります。給水される水は貴重なので、飲料水として確保しておき、トイレは水を使わずに処理できる災害用トイレをあらかじめ備蓄しておくと重宝します。

おすすめのマイレット災害用トイレ

マイレット S-100

B5サイズに100回分のトイレ処理セットが収まっているので、コンパクト設計。
省スペース仕様で備蓄スペースを有効活用いただけます。

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マイレット S-500

大容量、500回分のトイレ処理セットが一箱に収まっています。

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マイレット P-300

配布しやすい小分けパック。
1パックに5回分のトイレ処理セット入り。

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トイレに水を流してよい場合、タンク式トイレの流し方とは?

「バケツなどに水を入れて便器に流す」という声がある一方で、「タンクに直接水を入れて普通に流す」という声も上がっています。

バケツ等で水を直接流し込みましょう

断水時には、タンクへ水を補充するのではなく、バケツ1杯の水を直接便器へ勢いよく流し込むようにして流すことが推奨されています。
ただし、1回では流し切れないため、その後3~4リットルの水を流しましょう。
排水管の途中で汚物が停滞することを防ぐために、2~3回に1度は多めの水を流すこともポイントです。なお、バケツから水を流し込む際、水飛びに注意してください。雑菌繁殖の恐れがあるため、床に新聞紙や雑巾を敷いておき、取り替えるようにしましょう。
詳細は、ご利用のトイレメーカーの案内をご確認ください。

お風呂の残り水を流すのは危険です

お風呂の残り水をトイレに流してしまうと、髪の毛やゴミがタンクの部品に詰まる恐れがあります。地震直後に浴槽へ貯めていた水であったとしても、髪の毛が微量に残っている場合があります。そのため、お風呂の残り水をトイレに使用するのは控えましょう。

まとめ

  • 災害で断水が発生した時は、トイレの水を流してはいけない場合がある
  • 災害用トイレを準備しておき、水を流してはいけない時に使用する
  • 断水時かつ、トイレの水を流してもよい時は、バケツで便器に直接水を流し込み、2~3回に1度は多めの水を流す
  • お風呂の残り水をトイレに流すのは詰まりの恐れがあるので控える

自然災害はいつ起こるか分かりません。断水による二次被害を減らすためにも、災害用トイレを備えておくことをおすすめします。


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停電のあとに注意したい通電火災

企業防災において、防災計画を作成する主な目的は「身体・生命の安全確保」と「物理的被害の軽減」です。その目的は事業継続計画(BCP)の主な目的の大前提となっています。

過去に発生した大規模地震による火災の過半数は電気が原因という事実をご存じですか?

地震が引き起こす電気火災とは、地震の揺れに伴う電気機器からの出火や、停電からの復旧後の再通電時に出火する、いわゆる「通電火災」の事です。

近年発生した令和元年房総半島台風(令和元年台風第15号)による長時間の停電復旧後に、通電火災と疑われる火災が発生したように、地震発生時だけでなく、台風などの自然災害発生時においても注意が必要です。

今回は二次災害防止のためにも、停電の後に注意したい「通電火災」について紹介します。

通電火災とは?

通電火災は地震や台風、大雨、洪水、高潮などにより、「停電が発生する」+「配線や機器になんらかのダメージや異常が起こる」ことにより、電力復旧のタイミングで発生する火災です。

<一例>

  • 損傷した配線などに再通電し、発熱、発火する。
  • 転倒した電化製品に可燃物が、接触した状態で再通電し着火する。
  • 再通電時に発生した電気的火花が、漏れ出たガスに引火、爆発する。
  • 浸水や雨漏りによる、電化製品の基盤等の損傷により、再通電時にショートが生じ着火する。
  • コンセントに水分が付着し、再通電時にトラッキングが生じ発火する。

避難中の不在時や、初期消火に失敗し火災に至るケースがあります。

通電火災を防ぐポイント

通電火災を防ぐためには、停電時の対応と電力復旧時の対応がポイントになります。

停電時の対応

  • 停電中は電気機器のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く。
  • 停電中に職場や自宅から避難や離れる際はブレーカーを落とす。
  • 停電がしばらく続く見込みの場合はブレーカーを落とす。
  • 就寝時は念のためにブレーカーを落とす。

電力復旧時の対応

  • 事前にガス漏れ等がないか確認する。
  • ブレーカーを戻す前に電化製品をコンセントから外す。
  • 浸水などにより電化製品が破損していないか、燃えやすいものが近くにないかなど、十分に安全を確認する。
  • ブレーカーを戻す際は必ず人が立ち会い、戻したあと異常(発熱、臭い、異音等)があればすぐにブレーカーを落とす。(電気工事会社に点検・修理を依頼する)
  • ブレーカーを戻したあと電化製品を接続する際は一度に接続せず、電化製品ごとに接続し安全を確認する。(異常があれば電化製品をすぐに外す)
  • 建物や電化製品等には外見上の損傷がなくとも、壁内の配線の損傷や電化製品内部の故障により、再通電後、長時間経過したのち火災に至ることがあるため、煙の発生など異常を発見した際は直ちにブレーカーを落とし、消防機関に連絡する。

雨漏りや浸水などで水に濡れた電化製品も使用しない事が重要です。ここまでは職場や家庭の建物内での火災発生を想定しておりますが、通電火災は建物外での発生もありえます。屋外で垂れ下がった電線や切れた電線は「感電の恐れがあるため近づかないで」と呼びかけられています。電線から火花が散る、周囲の金属や可燃物に接触する、などにより火災が発生するおそれもあります。危険な電線を発見した際は速やかに電力会社に連絡してください。これらの火災や感電は建物内のブレーカーを落とす事では防ぐことができません。

事前にできる対策

事前にできる対策として、地震に限定すると「感震ブレーカー」が効果的です。

感震ブレーカーとは?

「感震ブレーカー」は地震発生時に、設定値以上の揺れを感知したときに、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的にとめる器具です。職場や家庭で有効なだけでなく、倉庫や作業場など無人の時間帯が想定される施設などにもお勧めします。既設のブレーカーに後付けで設置できるタイプやコンセントタイプなど、製品ごとの特徴や注意点を踏まえ適切なものを選ぶことが必要です。

感震ブレーカーの設置に関わらず、生命の維持に直結するような医療用機器を設置している場合、停電に対処できるバッテリー等を備える停電対策をはじめ、耐震対策、家具の落下や転倒防止などの対策を加えると効果的です。

通電火災は「停電後に起こりうる火災」として認識し、職場や家庭で停電時の対応と電力復旧時の対応の両面を準備しておくことをおすすめします。


<参考資料>

  • 企業防災とは何ですか?(内閣府)http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/kbn/index.html
  • 介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン(厚生労働省老健局)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000704787.pdf
  • 消防の働き’20年1月号 通電火災に対策について(総務省消防庁)https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0201_48.pdf
  • 平成30年3月 大規模地震時の電気火災抑制策の方向性について(内閣府)http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/pdf/kasaitaisaku.pdf
  • 感震ブレーカー等の普及啓発用チラシ(内閣府)http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/pdf/denkikasaitirashi_201904.pdf
  • あらためて学ぶ、「停電」の時にすべきこと・すべきでないこと(経済産業省資源エネルギー庁)https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/teiden_info.html

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簡易トイレと携帯トイレの違いとは?

災害時のトイレ対策として、簡易トイレ、携帯トイレ、仮設トイレなど様々ありますが、中でも「簡易トイレ」と「携帯トイレ」は似た響きがあるので混同しがちです。この記事では、両者の違いについて解説します。

簡易トイレについて

簡易トイレは、持ち運び可能な便座のある小型トイレや、組立て式の便器に袋をつけて使用するものがあります。災害用に限らず、手すりが付いた介護用のポータブルトイレもあり、周囲に仕切りを設ければ、アウトドアでも利用可能です。

簡易的な便座・便器があるので、し尿を貯める部分がセットになっており、し尿は凝固剤を用いたり、乾燥させて焼却するなどの方法で処理します。

凝固剤について

凝固剤にはシートタイプと粉末タイプがあります。

  • シートタイプ:紙オムツと同じような材料が用いられています。
  • 粉末タイプ:水分と反応して固まる粉末が用いられています。

組立て式便器の素材について

組立て式便器にはプラスチック製や、紙製の物などがあります。

プラスチック製の特徴

  • 耐久性が高く、水分・湿気にも強いのでアウトドアなど何度も利用可能。
  • 自治体や法人、自治会などの防災備蓄におすすめです。

紙製(段ボール)の特徴

  • 安価で使い捨てにできます。
  • とりあえずの緊急時の備えにおすすめです。

マイレットの簡易トイレ(組立て式便器) ご紹介

災害用テントセット RP-100X

組立て便器「プラダントイレ」、目隠しテント「レスキューテントX」、トイレ処理セット「マイレットS-100」がセットになった商品。

法人様向け RP-100X 商品詳細ページ

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現場トイレセット R-100X

ペール缶便器「マイペール」、目隠しテント「レスキューテントX」、現場用トイレセット「T-100」がセットになった商品。

法人様向け R-100X 商品詳細ページ

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携帯トイレについて

携帯トイレは、袋と給水シートや凝固剤がセットになっており、小便専用のものや、大便小便兼用のものがあります。袋の中に用を足し、し尿を給水シートや凝固剤を用いて処理します。

また、便座がないため、コンパクトで持ち運びがしやすいです。車の中やアウトドアでも利用できますし、災害時に断水した洋式便器につけて使用することもできます。

吸水シート、凝固剤について

携帯トイレには吸水シートタイプと、凝固剤タイプがあります。

  • 吸水シートタイプ:紙オムツと同じような材料が用いられています。
  • 凝固剤タイプ:水分と反応して固まる粉末やタブレットが用いられています。

マイレットの携帯トイレ ご紹介

マイレットmini-1

手のひらサイズの携帯トイレ。
災害時は勿論の事、レジャーやエチケット袋としてもご利用頂けます。

法人様向け mini-1 商品詳細ページ

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マイレットmini-2α

携帯トイレと目隠し用ポンチョがセットになった商品。

法人様向け mini-2α 商品詳細ページ

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簡易トイレと携帯トイレの違いまとめ

最も明快な違いは、便座があるかないかになります。

  • 簡易トイレ:便座がある
  • 携帯トイレ:便座がない

<参考資料>
避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン(内閣府)


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災害のときトイレの実態。トイレ問題について解説

災害時のトイレ問題とは?
実はアンケートで災害時困ったことランキング1位なんです

災害が起きた瞬間は命を守ることを優先しなければいけませんが、その後の生活ではトイレ問題が重要です。水や食糧の問題のほうが深刻だと思うかもしれませんが、実際に大きな災害に遭った人を対象として災害時に困ったことのアンケートを集計すると、ランキング1位が災害時のトイレ問題でした。

平成30年7月豪雨に関するアンケート調査
(https://www.prdesse.com/posts/view/16955)

なぜ、それほどまでに災害時のトイレ問題を真剣に考えなければいけないのかというと、食事は少なかったり回数を減らしても気力で我慢する事ができます。しかし、排泄は、大便・小便どちらにしても限界が存在します。どれほど我慢しても、最終的には排泄は避けることが出来ません。しかも、排泄物というのは悪臭を放ちますし不衛生な代物です。日常であれば、トイレで用を済ませてレバーやボタンを操作すれば、排泄物は流れてみえなくなります。しかし、災害時は水道管に問題があったり、マンションやビルでは停電が起きれば水は流れません。

たとえ、家の近所にある避難所で過ごすとしても、同様に水道が使えるかはわかりませんし、大勢の人が避難していれば混雑するでしょう。

なので、基本的に災害時にはトイレが使えないという前提でいたほうがいいでしょう。では。災害時のトイレ問題はどうするべきかというと、解決するグッズが販売されています。それを備蓄しておけば、いざという時に助かります。

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災害時のトイレ、どうする?
まずは携帯トイレを購入することからはじめましょう

災害時に困るトイレ問題を解決するためには、日頃から携帯トイレを用意しておくことが一番の解決方法です。携帯トイレというのは断水などで使えないトイレの便器に設置する使い捨ての袋と排泄物を固める凝固剤のことです。使い捨ての袋の中に排泄をすれば便器が汚れることはなく、水がなくても処理が出来ます。ただ、排泄物を入れたあとに何かに引っ掛けて袋が破けてしまうと、中身が漏れ出る恐れがあります。そこで水分に反応して凝固する薬剤を入れておくことが一般的です。

携帯トイレは使わないときは袋を畳んで収納しておけばいいので、場所を取ることはありません。

人が1日にトイレに行く平均回数は5回です。この回数に人数と使う日数をかけた分だけ用意する必要があります。日数については、まずは3日分、可能なら1週間以上は備えたほうがよいです。

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災害時のトイレ種類は、断水直後の携帯トイレ、避難所での仮設トイレに分けられる

災害時に使えるトイレは、断水直後に使える携帯トイレか、避難所での仮設トイレが選択肢になります。携帯トイレを購入しておけば、ひとまずはトイレの心配をせずに済みます。でも、非常時は緊張により、頻繁に便意を催すこともあります。そのために、想定していたよりも早くに携帯トイレがなくなってしまう可能性も否定できません。

避難所の仮設トイレの方は、屋外でも簡単に設置できる組み立て式のトイレですが、実際に設置されるまでに時間がかかることもあります。また、洋式便器ではなく和式便器が設置されているときには、足腰が弱い方や障がいを持っている方は利用しにくいということも問題です。過去に起きた震災では東北地方の冬は気温が著しく下がるため、屋外に設置されたトイレに行くことが難しくなったという事例もあります。あと、仮設トイレで排泄されたものは、バキュームカーで汲み取らなければ限界に達します。もし、十分な数のバキュームカーを用意できなければ仮設トイレが使えなくなる恐れがあります。

携帯トイレにしても仮設トイレにしても、ある程度は災害時のトイレを問題を解決できますが、欠点もあることを理解しておくべきです。万全を期したいのであれば、携帯トイレの備蓄を増やしておくといった備えが必要です。

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マンホールトイレは下水道が正常である前提のため使えるかどうか分からない

災害時で使えるトイレの中には、マンホールトイレというものがあります。これは避難場所の近くにあるマンホールの真上に仮設トイレを設置したり、下水管に排水管を接続した仮設トイレを並べていくやり方です。排泄物はそのまま下水管に流されるので、バキュームカーでの汲み取りは必要なくなります。簡単に設置することができ、水を節約できることから災害時でも使いやすいトイレです。人々が近い距離で過ごす避難生活では、いかに衛生的に暮らせるかが重要です。マンホールトイレは、大勢の人が出した排泄物を手軽に処理できる仕組みがあり、衛生面で非常に優れています。

しかしながら、このマンホールトイレが使えるのは、下水道が平常時と同じく正常に流れているということを前提としています。もし、地震で下水道に大きなダメージが及んでいたときには、マンホールトイレで流した排泄物が、途中で漏れ出てしまいます。災害が起きてから時間が経過していないときでは、地中の様子まで正確に調べることは難しいので本当に使えるのかは判断が難しいところです。下水道に何らかの問題が起きているときのことを想定して、マンホールトイレには排泄物を常に下水道に流すのではなく貯め込んで必要な時に汲み取りができる仕組みのものもあります。

携帯トイレの中でも性能が優れたものを選ぼう

災害時のことを考えると携帯トイレの備蓄は避けて通ることが出来ません。購入をするときには、様々な製品があるなかで、使い勝手の良いものを選ぶ必要があります。携帯トイレにおける使い勝手の良さというと、袋であることはどこの製品でも同じですから、違いが出てくるとすれば凝固剤です。凝固剤は排泄が終わった後に粉末を入れるものもあればシートを入れておくものもあります。シートタイプは最初から設置されているところに用を足すだけですから簡単ですが、量が多いと吸収しきれません。確実に水分を固めたいならば粉末の凝固剤のほうが最適です。

また、災害時は排泄物を入れた袋を何日間保管するのかはわかりません。道路が復旧しなければ、ゴミの回収もできないので長期間の保管をすることもあります。優れた性能の携帯トイレであることが理想的です。

災害用トイレ処理セット「マイレット」のご紹介

備蓄に最適

職場やご自宅の備えにおすすめのマイレット定番品をご紹介します。

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